対象は高血圧を合併した日本人冠動脈疾患患者2,049例(全例に冠動脈造影を実施)
HIJ-CREATEは東京女子医科大学心臓血圧研究所内科とその関連施設(計14施設)で行なわれた多施設大規模臨床試験。対象は高血圧を合併した日本人冠動脈疾患患者2,049例で、全例が冠動脈造影によって、冠動脈疾患が確認された高血圧患者を登録していることが大きな特徴であり、世界的に高水準にある医療システムのもとで実施された試験であることがうかがえる。なお冠動脈疾患は、急性期(急性冠症候群)から慢性期(安定冠動脈疾患)までが広くカバーされている。
対象は、カンデサルタン群(1,024例)と標準治療群(1,025例)の間で心血管イベントの発現状況がPROBE 法にて比較された。
HIJ-CREATEの主要評価項目はMACEで、副次評価項目は血行再建術、糖尿病の新規発症。平均観察期間は4.2 年で、脱落率は両群ともに非常に低かった。
日本人の冠動脈疾患の病態や治療状況を反映
HIJ-CREATEの患者背景や無作為化時点での使用薬剤をみると、日本人の冠動脈疾患の病態や治療状況を良く反映している大規模臨床試験だと言える。全体で80%以上が血行再建術(PCI)を既に受けていること、標準的治療群では71%に冠動脈疾患に対するエビデンスが確立されているACE 阻害薬が使用されていた点が特に注目される。ACE 阻害薬の使用頻度が高かったことから、カンデサルタン vs ACE 阻害薬という形の解析も可能となった。
カンデサルタン群で糖尿病の新規発症が有意に減少
試験開始時の血圧はカンデサルタン群135/76oHg、標準的治療群136/76oHgで、到達血圧値に両群間に差はなかった(図1)。
主要評価項目は、カンデサルタン群で11%のMACEの減少が示されたが、有意差には至らなかった(図2)。
しかし、副次評価項目においてカンデサルタン群では標準的治療群と比較して血行再建術の頻度は同じだったが、糖尿病の新規発症は63%有意に減少した(図3)。
カンデサルタン群とACE 阻害薬治療群(723例)のイべント発現も事後解析の形で比較しているが、主要評価項目には差が無かった。しかし、副次評価項目の糖尿病の新規発症はカンデサルタン群でやはり63%有意に減少することが明らかとなった(表)。
ARBとACE阻害薬との間でイベント発症を比較した貴重なデータだと言える。副作用は空咳が標準治療群で有意に多く、薬剤関連副作用や試験薬の中断はカンデサルタン群で有意に少ない結果となった(図3)。
腎機能低下例ではカンデサルタン群で
MACEが有意に減少
患者背景別の検討では、血清クレアチニン値(Ccr)60ml/分未満と60 ml/分以上をカプランマイヤー曲線で比較すると、Ccr60ml/分未満群ではカンデサルタン群でMACEが21%有意に減少していた(図4)。
笠貫宏氏は報告を次のようにまとめた。
「カンデサルタン群では標準的治療群と比べて、主要評価項目であるMACEは有意差には到らなかったが11%のリスク減少が認められた。またカンデサルタン群では、副次評価項目である糖尿病の新規発症が63%有意に減少した。カンデサルタンは忍容性に優れていた。そして特にCcr60ml/分未満の腎機能低下例ではカンデサルタン群でMACEのリスクが21%減少した」。
HIJ-CREATEはARB カンデサルタンの新しいエビデンスを誕生させたと言えよう。
![CVD [Cardiovascular Disease] CVDの日本人のエビデンス集まる](http://www.cvd.jp/img/cvd_header.gif)
















